
ファティ・アキン監督 Fatih Akin
2009年/99分/カラー/1:1.85/ドルビーSRD

ドイツ映画界をリードする存在であり、『愛より強く』などほとんどの監督作が日本でも一般公開されているファティ・アキンの期待の最新作。アキンが生まれ育った都市ハンブルクに捧げた<郷土映画>であるだけでなく、喜劇作品としても注目される。主人公はハンブルクの下町で不人気なレストランを営む男。新しいコックを雇うとすっかり客層が変わり、店は嘘のように繁盛する。だが男が経営を弟にまかせ、ガールフレンドのいる上海に向かおうとしたところ、店は知人に乗っ取られてしまう……。本年のベネチア映画祭コンペ部門で初上映されて審査員特別賞を受けた、リラックスして楽しめる快作。
10月15日(木) 17:00〜 10月17日(土) 10:00〜
ハインリヒ・ブレレーア監督 Heinrich Breloer
2008年/152分/カラー/1:2.35/ドルビーSRD

文豪トーマス・マン(1875-1955)が26歳の若さで発表した自伝的長編の映画化作品。マンが1929年にノーベル文学賞を受けた際にも、その根拠として『ブッデンブローク家の人々』が挙げられたこともよく知られている。19世紀なかばのハンザ都市リューベックを舞台に、隆盛を誇った名家ブッデンブローク一族が時代の変化とともに緩慢に没落していくさまが重厚に表現される。細部まで正確に再現された街並み、華麗な衣装、豪華俳優陣の演技などもお楽しみいただきたい、香り高き文学映画。 監督のブレレーアは史実とフィクションを融合させる〈ドク=ドラマ〉というジャンルの第一人者。
10月15日(木) 11:00〜 10月16日(金) 19:30〜
宮山麻里枝監督 Marie Miyayama
2008年/82分/カラー/1:2.35/ドルビーSRD

ヴェンダースら多くのすぐれた人材を輩出してきたミュンヒェン映画大学で<最初の日本人学生>として学んだ宮山麻里枝の鮮烈なデビュー作。東京の大学生、亜紀は一枚の地図に導かれて南独の田園地帯を訪ねる。地図に記された<赤い点>とは、18年前に彼女の家族が自動車事故にあった場所を示すものだった。偶然、事故に関係するドイツ人家族と知り合ったことから、もうひとつの物語がはじまる……。実話に基づいた、深い感動をもたらす作品。ホーフ映画祭ドイツ映画奨励賞、バイエルン映画賞新人プロデューサー賞を受けたほか、すでに世界の多くの国々で上映され、絶賛されている。
10月15日(木) 14:25〜 10月17日(土) 17:15〜
カロリーネ・リンク監督 Caroline Link
2008年/129分/カラー/1:2.35/ドルビーSRD

『名もなきアフリカの地で』(01)でアカデミー外国語映画賞に輝いたカロリーネ・リンクが7年ぶりに世に送る待望の新作。裕福な家庭の息子が自らの命を絶つが、周囲の誰にもその理由がわからない。事実を受け入れられない母は、ある画家に息子と娘の肖像画を依頼する。絵が完成するまでの過程で、家族の誰もが心の空白を埋められずに苦しんでいること、画家も精神的に傷を負った人物であることが明らかとなる……。喪失感のなかで新しい人生を歩みだそうとする人々の感動的なドラマ。透明感あふれる映像が素晴らしい。09年ドイツ映画賞銀賞受賞。
10月16日(金) 13:20〜 10月18日(日) 17:30〜
トム・ティクヴァ監督、ヴォルフガング・ベッカー監督 ほか Tom Tykwer, Wolfgang Becker u.a.
2009年/151分/カラー/1:1.85/ドルビーSRD
1968年の学生蜂起から40年、<ドイツの秋>から30年、<ベルリンの壁崩壊>から20年が経過した節目に当たるいま、トム・ティクヴァ(『ラン・ローラ・ラン』他)の呼びかけに応じ、映画界を代表する才能が<現在のドイツ>を表現するために結集した。『グッバイ、レーニン!』のヴォルフガング・ベッカー、『愛より強く』のファティ・アキン、『わが教え子、ヒトラー』のダニ・レヴィなど13人がそれぞれのスタイルで短編を撮り、ティクヴァの言葉によれば「万華鏡のような」刺激的な映画が出来上がった。あらゆる映画ファン、ドイツに関心のある方々には必見の記念碑的作品。
![]() 「最初の日」 Der erste Tag アンゲラ・シャネレック監督 Angela Schanelec |
![]() 「ヨシュア」 Joshua ダニ・レヴィ監督 Dany Levi |
![]() 「ムラート・クルナスという青年」 Der Name Murrat Kurnaz ファティ・アキン監督 Fatih Akin |
![]() 「不滅の人々」 Die Unvollendete ニコレット・クレプニッツ監督 Nicolette Krebitz |
![]() 「不都合な状況」 Schieflage ズィルケ・エンダース監督 Sylke Enders |
![]() 「一緒に歩けない道」 Den Weg, den wir nicht zusammen gehen ドミニック・グラフ監督 Dominik Graf |
![]() 「ドイツ的フォントへのこだわり」 Fraktur ハンス・シュタインビヒラー監督 Hans Steinbichler |
![]() 「指針の時期に民主主義を学ぼう」 Eine demokratische Gesprächsstunde zu festgelegten Zeiten イザベル・シュテーヴァー監督 Isabelle Stever |
![]() 「危険分子」 Gefährder ハンス・ヴァインガルトナー監督 Hans Weingartner |
![]() 「出張」 Feierlich reist トム・ティクヴァ監督 Tom Tykwer |
![]() 「ラムセス―セックス・バーの主が語る」 Ramses ロムアルド・カーマカー監督 Romuald Karmakar |
![]() 「病気の館」 Krankes Haus ヴォルフガング・ベッカー監督 Wolfgang Becker |
![]() 「ドイチュラントという懐かしい響き 」 Séance クリストフ・ホーホホイスラー監督 Christoph Hochhäusler |
10月16日(金) 10:00〜 10月17日(土) 19:30〜
カイ・ヴェッセル監督 Kai Wessel
2008年/137分/カラー/1:2.35/ドルビーSRD

ナチ時代末期の映画界に彗星のごとくデビューし、戦後に世界を股にかけた華やかなキャリアを築いたヒルデガルト・クネフ(1925-2002)。ドイツが生んだ世界的スターという点ではマレーネ・ディートリヒに次ぐ存在である彼女の人生を忠実に追ったのが、この映画である。有名なナチ党員と恋愛関係にあったという事実が招くトラブル、米軍士官と結婚してハリウッドに渡ったものの仕事を得られない苦悩、母国での再度の映画出演と<スキャンダル女優>という悪名、その後つかんだ女優および歌手としての名声……。スターの栄光と孤独を人気女優ハイケ・マカチュが好演。
10月16日(金) 16:20〜 10月18日(日) 10:00〜
今年は特別上映として、少し前に世界的なヒットを記録した2本、今日のMTVにも強い影響を与えていると言われている『ラン・ローラ・ラン』と、キャリアウーマンが自分を見つめなおす様子を描く心温まる作品『マーサの幸せレシピ』を上映します。また、ドイツの全映画大学の学生による短編のなかから選び抜かれた最新の傑作選集『ネクスト・ジェネレーション '09』もご紹介しますので、ぜひこの機会にご覧いただきたいと思います。
トム・ティクヴァ監督 Tom Tykwer
1998年/81分/カラー/1:1.85/ドルビーSRD

ドイツ映画に新しい時代が到来したことを強く印象づけ、監督トム・ティクヴァの名を世界にとどろかせた伝説的な名作。いますぐ大金を必要としているボーイフレンドを救うために、ローラが20分間、ベルリンの街を駆け回る。ティクヴァはその<20分間>を微妙に異なる三つのヴァージョンで提示し、アニメーションを入れたりフィルムの速度を変えたりといった革新的な技術を投入して世界の映画ファンを驚かせた。その後、ティクヴァだけでなく主演のフランカ・ポテンテ、モーリツ・ブライプトロイも国際的な活躍を見せていることは周知の通りである。
10月18日(日) 15:30〜
サンドラ・ネッテルベック監督 Sandra Nettelbeck
2000年/107分/カラー/1:1.85/ドルビーSRD

一流レストランのシェフをつとめる独身女性マーサの姉が急死する。姉の幼い娘と暮らすことになったマーサは、次第に仕事にすべてを賭けてきた人生を見直すようになる。セカンド・シェフとして雇われたイタリア人コック、マリオも彼女の世界観を変えてくれるのだった……。そんな心身の変化のプロセスを、女性監督ネッテルベルクはきめ細やかに、説得力豊かに描いて愛すべき作品に仕上げた。アメリカでも大ヒットを記録し、『幸せのレシピ』としてリメイクされたことも記憶に新しい。主演のマルティナ・ゲデックはドイツ映画賞を受け、現在は同国を代表する女優となっている。
10月17日(土) 13:00〜
ユリア・C・カイザー監督、トビアス・ビルゲリ監督 ほか Filme von Julia C. Kaiser, Tobias Bilgeri u.a.
2008年・2009年/95分/カラー・モノクロ/1:1.66・1:1.85・1:2.35/ドルビーSRD
ドイツの若い映像作家たちによる、選りすぐりの短編映画集。ドイツでは映画監督志望者はまず映画大学に入学し、在学中に短編を撮ることからキャリアをスタートさせるのが通例である。国内の重要な映画祭では短編を上映するセクションが存在し、そこに選ばれて注目を集めることが成功への第一歩となるので、競争はきわめて熾烈だ。ここでは、本年のカンヌ映画祭でも上映されて高い評価を得た、ドイツの映画大学生による短編12本(アニメ4本を含む)を紹介する。完成度の高さ、斬新さ、まぶしいまでの魅力が満載のプログラム。
![]() 「セルビア国境警備 ― 特記事項 なし」 Keine Besonderen Vorkommnisse レナルト・ルフ監督 Lennart Ruff |
![]() 「バラ色」 Rosarot イネス・クリスティーネ・ガイサー監督 /キルステン・カリナ・ガイサー監督 Ines Christine Geisser/ Kirsten Carina Geisser ※アニメーション |
![]() 「苗木の栽培」 Sunrise Dacapo ニナ・ポッペ監督 Nina Poppe |
![]() 「生命線」 Lebensader アンゲラ・シュテッフェン監督 Angela Steffen ※アニメーション |
![]() 「踊る気分になれない」 I Don’t Feel Like Dancing エフィ・ゴルドブルンナー /ヨアヒム・ドルホプフ監督 Evi Goldbrunner/ Joachim Dollhopf |
![]() 「ザムザ ー カフカに捧ぐ」 Samsa - Hommage an Franz Kafka レネ・ランゲ監督 René Lange ※アニメーション |
![]() 「私のヒーロー」 You Are My Hero トビアス・ビルゲリー監督 Tobias Bilgeri ※アニメーション |
![]() 「雪に閉ざされて」 Schneezeit ハンネス・ブルヒャルト監督 Hannes Burchert |
![]() 「スズメ」 Spatzen ヤン・シュペッケンバッハ監督 Jan Speckenbach |
![]() 「間」 Between ティム・ボリンガー監督 Tim Bollinger |
![]() 「処刑室の清掃」 Clean Up ゼバスティアン・メッツ監督 Sebastian Mez |
![]() 「一目惚れ」 Amoklove ユリア・C.カイザー監督 Julia C. Kaiser |
10月18日(日) 13:00〜