
| ■『HANAMI』 Kirschblüten - Hanami [Doris Dörrie] | |
![]() |
2008年/ドリス・デリエ監督/126分
ドイツを代表する女性監督であり、日本でも多くの作品が紹介されているドリス・デリエが、小津安二郎の『東京物語』(1953)から着想を得て撮った一本。バイエルンの田舎に住む老夫婦が都会に暮らしている子供たちを訪ねるが、厄介者扱いをされてしまう。帰宅後、妻は急死してしまう。<舞踏>に憧れ、
日本に行くことを夢見ていた妻の願いをかなえるべく、夫は妻の着物をトランクに入れて桜の季節の日本を訪ねる。偶然知り合った、<舞踏>の踊り手でもあるホームレスの少女の助けを借りて、夫は富士山を訪ねる……。日本びいきで知られるデリエならではの心配りが光る、心あたたまる作品である。08年ドイツ映画賞銀賞受賞。
|
| 11月1日(土) 10:30〜 11月3日(月・祝) 18:20〜 |
|
| ■『クララ・シューマンの愛』 Geliebte Clara [Helma Sanders-Brahms] | |
![]() |
2007年/ヘルマ・サンダース=ブラームス監督/104分
フェミニズム映画の旗手として活躍し、わが国でも『ドイツ・青ざめた母』(1980)が絶賛されたヘルマ・ザンダース=ブラームスが、偉大な音楽家クララおよびロベルト・シューマン夫妻を主人公に据えて撮った作品。精密な時代考証のもとに華麗な演奏場面が展開される、美しい音楽映画に仕上げられている。夫妻の生前から、クララと若き天才、ヨハネス・ブラームスが恋人関係にあるという噂が一部で囁かれていたが、この映画は初めてそれを大胆に描いているのが興味深い。『善き人のためのソナタ』のマルティナ・ゲデックが主演し、マリク・ジディがブラームスを演じていることでも要注目。 |
| 10月31日(金) 14:00〜 11月3日(月・祝) 13:20〜 |
|
| ■『耳のないウサギ』 Keinohrhasen [Til Schweiger] | |
![]() |
2007年/ティル・シュヴァイガー監督/115分
ドイツ最高のスーパースター、ティル・シュヴァイガーが監督・主演した大ヒット・ロマンティック・コメディー。低俗紙の記者であるルードーは、いい加減な記事ばかり書いているだけでなく、私生活でも悪名高いプレイボーイであった。あるとき彼は、誤報への罪として、裁判所から幼稚園での勤労奉仕を命じられる。幼稚園で彼を迎えたのは、幼馴染でもある堅物の教諭アンナだった。水と油のように思えた両者のあいだにやがて恋がめばえるが、この恋が素直に進んで行くはずがない……。ハイテンポの演出、お洒落な台詞の数々が楽しい、「お堅いドイツ映画」というイメージを塗り変えてしまう作品。08年エルンスト・ルビッチ賞受賞。 |
| 11月1日(土) 13:30〜 | |
| ■『ウェイブ-あるクラスの暴走』 Die Welle [Dennis Gansel] | |
![]() |
2007年/デニス・ガンゼル監督/93分
ある高校で、<国家の形態>をテーマとする一週間の特別授業が実施される。若い教師ライナーが担当を命じられたのは、<独裁制>のクラスだった。ライナーは<独裁制>が発生するメカニズムをさぐるために、全員に白いシャツを着用させ、自分への絶対服従を命じる。生徒たちは自主的につくったマークを街中に落書きして学外でも存在を誇示し、他のグループとの抗争まではじめる。やがてクラスのなかには異分子を排斥する空気が生まれ、恐るべき暴力が発生する……。<独裁制>の本質を追及する、実話に基づいた衝撃的作品。08年ドイツ映画賞銅賞受賞。 |
| 11月2日(日) 12:40〜 11月3日(月・祝) 16:00〜 |
|
| ■『ベルリンDJ』 Berlin Calling [Hannes Stöhr] | |
![]() |
2008年/ハンネス・シュテーア監督/109分
世界の注目を集めているベルリンのクラブ・シーン。そこでトップクラスの人気を誇るテクノDJ・作曲家、パウル・カルクブレンナーが主人公の「DJイカルス」を演じ、楽曲を提供していることでも大きな話題を集めている注目の作品。DJイカルスは、世界を股にかけた多忙な活動の合間に、次のアルバムのための曲作りに励んでいる。売人から買って服用した薬物が質の粗悪なものであったため、イカルスは倒れてしまう。麻薬更正施設に入った彼は、この機会に自分を見つめなおし、これまでにない斬新なアルバムを生み出すことに成功する。ヨーロッパのテクノ、ハウスミュージック事情に関心のある方々には必見の作品。 |
| 11月1日(土) 18:30〜 | |
| ■『クラバート - 謎の黒魔術』 Krabat [Marco Kreuzpaintner] | |
![]() |
2008年/マルコ・クロイツパイントナー監督/117分
O・プロイスラーによる世界的ベストセラー小説をCGを用いて映画化したファンタジー大作。17世紀、30年戦争のさなかに両親を失った14歳の少年クラバートは、長い放浪の末に、ある村の製粉所に受け入れられる。そこでは、同じような境遇の少年たちが生き生きと暮らしていた。しかし、実はそこは恐るべき黒魔術の学校であり、少年たちには「マイスター」への絶対服従が義務づけられていたのだった。自由になるには「マイスター」を倒すしかないことを知ったクラバートは、愛する少女カントルカとともに「マイスター」との魔法対決に挑む……。『グッバイ、レーニン!』でおなじみの人気俳優ダニエル・ブリュールが主人公の親友を好演。 |
| 10月31日(金) 17:00〜 11月3日(月・祝) 10:30〜 |
|
| ■『ノース・フェイス - アイガー北壁』 Nordwand [Philipp Stoelzl] | |
![]() |
2008年/フィリップ・シュテルツル監督/126分
ベルリン・オリンピックが開催された1936年の夏。ナチス政府は、ドイツ国家の優越性を世界に誇示するために、ドイツ人クライマーがアイガー北壁の初登頂者となることを強く望んでいた。大いなる期待を背負って、トーニとアンディは恐るべき<死の壁>に挑む。だが、彼らの前にヴィリーとエディーというオーストリアの強敵が立ちはだかる。トーニのかつての恋人であり、いまはベルリンでジャーナリストをしているルイーゼも、世紀の瞬間を見届けるために現地入りする。だが、四人のクライマーを待っていたのはあまりにも過酷な運命だった……。豪華俳優陣による、極細部までリアルに構成された迫力あふれる<山岳映画>の傑作。 |
| 10月31日(金) 11:00〜 11月2日(日) 19:15〜 |
|
| ■短編作品『兄弟』 Bruder, Bruder [Lars Kreyßig] | |
![]() |
2008年/ラース・クライスィヒ監督/11分
13歳のヨシャと9歳の弟、アレックスの二人の他愛ない遊びは、次第にエスカレートし、その結果アレックスの生死にかかわる危険なサバイバル・ゲームと化してゆく。本作は11/1(土)18:30〜『ベルリンDJ』の上映後及び11/2(日)17:30〜『シンポジウム』にて上映いたします。 |
![]() |
1910年ごろから美術や文学、建築等を席巻したドイツ表現主義は、第一次世界大戦後に映画の世界にもとりいれられた。表現主義では芸術家の内面を外界を通じて表すことが主眼とされるため、映画の場合はセットや衣装、俳優の演技などが極端に歪められたものとなる。<光と影>を強調した映像は、今日も世界の映画ファンに強い印象をもたらさずにはいない。今年も生演奏をしていただくアリョーシャ・ツィンマーマン氏はサイレント映画伴奏における第一人者であり、多くの伴奏音楽を作曲していることで名高い。 |
(左)アリョーシャ・ツィンマーマン(ピアノ)
(右)サブリナ・ツィンマーマン(バイオリン) |
| ■『巨人ゴーレム』 Der Golem, wie er in die Welt kam [Paul Wegener, Carl Boese] | |
![]() |
1920年/パウル・ヴェーゲナー、カール・ベーゼ監督/86分 16世紀のプラハ。ゲットーに暮らすユダヤ人全員に、とつぜん皇帝からの退去命令が突きつけられる。指導者レーヴ師は、ユダヤ人の危機を救うとされる泥人形ゴーレムをつくり、秘術を用いて命を吹きこむ。レーヴ師とともに宮廷を訪れたゴーレムは、建物が崩壊しかけたときに天井を支え、人々の命を救う。皇帝は感謝の印としてユダヤ人の追放を撤回する。だがその後、ゴーレムはもとの泥人形に戻ることを拒んで勝手に動きはじめ、ゲットーを大混乱に陥れる……。<人造人間>をテーマとする古典的名作。偉大な建築家、ハンス・ペルツィヒが手がけた曲線を駆使したセットは息を呑むほど素晴らしい。(c)Friedrich Wilhelm Murnau Foundation |
| 11月2日(日) 15:05〜 | |
| ■『カリガリ博士』 Das Cabinet des Dr. Caligari [Robert Wiene] | |
![]() |
1919年/ローベルト・ヴィーネ監督/73分
徹底的に表現主義映画のスタイルで撮られた最初の映画であり、表現主義映画を代表する一本としてあまりにも有名な作品。北ドイツの小さな街での歳の市に、催眠術師カリガリ博士が夢遊病者ツェザーレとともに現れる。青年フランシスの友人アランは、ツェザーレから死を予告されたすぐあとに殺害され、恋人であるジェーンもまた何者かに誘拐されてしまう。事件を究明しようとするうちに、フランシスはカリガリ博士の正体が、街の精神病院の院長であることを突きとめる……。大胆に曲がりくねったセット、小道具、演技や照明にいたるまで、これこそが表現主義だというエッセンスを観察できる、映画史上に輝く傑作である。(c)Friedrich Wilhelm Murnau Foundation |
| 11月1日(土) 16:20〜 11月2日(日) 10:30〜 |
|